はかナビ~葬儀とお墓と仏壇の読み物~

一般的なお墓から最近増えている永代供養墓や納骨堂までお墓について詳しく解説します。また、葬儀・葬式や仏壇、終活の基礎知識についても詳しく解説します。

移転しました。

よくあるお墓にまつわる質問

①自分の家の庭にお墓を作ることはできるの?

答え.いいえ、個人の庭にお墓は作れません。

いくら故人の希望であったとしても、庭の隅にお墓を建てることは現在ではまずできません。
墓というのは死体の埋葬やお骨の埋蔵をする施設のことで、法律上は墳墓という用語が用いられます。
この埋葬、埋蔵は墓地以外で行ってはならないことになっています。
墓地経営には、知事の許可が必要です。
そして、現在では、山間僻地の場合は除いて、個人の庭を墓地にする許可は出ません。
したがって、庭の隅に墓を作ることはできません。ただし、死体や焼骨に関係のない、慰霊碑なら作ることに制限はありません。
なぜなら、法律的に慰霊碑はお墓、墳墓ではないからです。

また、法的に墓でさえなければ、呼び名としてお墓と呼ぶことは勝手です。
ですから、遺体・遺骨は別の墓(または納骨堂)に埋葬・埋蔵しておき、庭に慰霊碑を置くということなら法的には何も問題はありません。
さらに、法律(墓埋法)では、

第四条  埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行つてはならない。

と定めていますが、遺髪や爪などは、死体でもなく遺骨でもないため、どこへ埋めても自由で、法律上の規則はありません。
これらを収めた石塔などをお墓と呼ぶのは自由で、石に〇〇の墓と彫っても構いません。

②日当たりの良いお墓と日陰のお墓、人気があるのはどっち?

答え.一概にどちらとは言えませんが、日当たりの良いほうが人気が高くなっています。

日当たりの良いお墓と、日陰にあるお墓のどちらのほうが人気があるのでしょうか?
墓石は、日が当たると紫外線によって劣化が速くなります。
そのため、墓石のことだけを考えると、日陰のほうが良いと言えます。

ただ、劣化すると言っても、材質の良い石材なら、心配するほどのことではありません。
むしろ、日当たりの良いお墓のほうが、明るいイメージがあり、気持ちよくお墓参りができるので、日当たりの良いお墓のほうが、人気が高くなっています。

③墓地(霊園)を造るのに必要なものは?

答え.知事の許可が必要です。

霊園というのは通称で、法律上は墓地と言いますが、墓地を造り経営するには、知事の許可が必要です。

墓地の許可申請書に必要な書類

①地元の関係先の同意書

申請に当たっては、地元の関係先の同意書の添付が必要とされています。
区、町会などの決議機関の同意により、地元代表としての区長の同意書を添付します。

②墓地予定地の隣地所有者の同意書
③墓地予定地の地目が農地の場合、農地法による地元の農業委員会の承認書
④土地改良区であればその同意書
⑤墓地予定地からの排水隣接地の同意書
⑥水利関係先の同意書
⑦墓地造成に関係ある者からの「差し支えない」の同意書

もちろん、口頭だけでなく、窓口となる行政機関から示された申請書添付書類に必要とされている、署名捺印(場合により実印など)が必要です。

④兄弟で購入したお墓の権利はどうなる?

答え.霊園、寺院の規則や慣習によります。

墓地の権利関係で言うと、霊園などで永代使用権を新たに取得した場合、霊園側の規則で契約者は1人に限られ、その契約者が墓地の権利者となります。
また、旧来からの墓地であれば、祭祀主宰者*1がその所有権を承継します。
これは一般財産の相続とは、別の扱いになっています。

一方、墓に関しては、墓地使用についての契約や霊園、寺院、その他の土地所有者(市町村など)側の規則または慣習の問題で特定の法律の定めはありません。
ただし、霊園や寺院は、たいていの場合、墓の共有は認めていません。
古い寺院や個人所有の土地が墓地になっている場合には例外もあり得ます。

兄弟間での関係では、お金を出し合った点から共有ということにしておいて、将来長兄などの墓地権利者に買いとってもらうことにしましょう。
ただ、将来兄弟が一緒に入るとなると話は別です。
この場合には、霊園や寺院の規則、慣習によります。
普通は、墓地使用権者とその家族などを埋葬することを予定しており、兄弟全員やその家族の入墓は考えられていません。
親族や縁故者を認める規則ももちろんありますが、墓地使用者の家族を想定しており、数家族の共同使用は予定していないところがほとんどです。
しかしながら、墓地の管理者は、埋蔵の求めを受けたときは、正当の理由がない限り、拒むことはできないことになっています。
したがって、墓地使用権者の権利の下で、兄弟など親族やその家族をお墓に入れることを管理者側が拒むことはできないということになります。

⑤ピラミッドや天皇陵のような大きなお墓は造れるの?

答え.慰霊碑や追悼碑としてなら可能

現在では、例え小さなお墓であっても、個人の墓地の許可は出ません。
これは、公衆衛生などの配慮を個人に委ねることは妥当ではないためです。
墓地の経営の許可は、主に地方公共団体公益法人などに出されています。

一方で、墓ではなくて、慰霊碑や追悼碑なら自由に造ることができます。
この場合の墓は、墓埋法で定義されている

4  この法律で「墳墓」とは、死体を埋葬し、又は焼骨を埋蔵する施設をいう。

を指しており、墓とは遺体や遺骨を埋葬埋蔵するための施設です。
つまり、遺体・遺骨を入れない慰霊碑、追悼碑なら何の問題もありません。
そして、それを墓と呼ぶことは自由です。

⑥お墓の向きや形、色などについていろいろ言われますが、吉凶はありますか?

答え.根拠のないものが多いので、あまり気にする必要はありません。

お墓は南向きがよいとか、東向きがよいとか、方角についてはいろいろな説があります。
墓地の区画によっては、向きによって価格が違うところもあります。
しかし、あまり気にする必要はないと言えます。

その他にも、黒い石のお墓はよくないとか、台石が一段だと不動産が増えない、変わった形の棹石は血統が途絶えるなど、の説もあります。
これらも人によって見方が違うので、どれが正しいとは言えません。

根拠のないものも多いので、あまり深刻に考える必要はありません。
ただし、なかには、長年の積み重ねの中から生まれたお墓を維持するために有効な説もあります。
すべてを無視するのではなく、自分なりに考えてみるとよいでしょう。

最近では、墓地の規定で墓石が決められていたり、敷地の問題などがあり、多くの数ある説をクリアしてお墓を建てるのは困難です。
よいお墓を建てられたと安心することよりも、建てた後にしっかりお参りをして、きちんと手入れができるかを重視するほうが良いでしょう。

⑦お墓が地震で倒れないか心配ですが、どうしたらよいでしょうか?

答え.心配な場合は、耐震構造の墓石もあります。

地震のことを考えて、背の低い洋型墓石を選ぶ人も増えているようです。
また、背の高い和型の墓石でも、最近は、地震で倒壊しないように、独自に耐震、免震構造のお墓を考案している石材店もあります。
墓石だけでなく、外柵の基礎の部分から地震に備えた施工をして、地震で倒れた場合も補償するところが多いようです。
構造や保証期間、補償内容は石材店によって異なるので、確認しましょう。

⑧お墓がいっぱいで新しい骨壷が入らないのですが、どうしたらよいでしょうか?

答え.

埋葬されている遺骨を1つの骨壷にまとめて(合祀)スペースを作る方法や、納骨棺に散骨する方法があります。

寺院墓地の場合は寺院に、公営や区営の場合はお世話になっている石材店に相談しましょう。

*1:祭祀主宰者:位牌などを受け継いだ者のことで、遺言や慣習などで定まります。