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相続税の基礎知識:相続税が課されるケースや相続税の申告・納付方法について解説!

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相続などで財産を得ると相続税の納付義務が生じる

相続税は、被相続人の財産を相続したときに課される税金のことで、相続によって財産を取得した場合には、相続財の申告・納付が必要になる可能性があります。

相続人が海内にいても、相続財産が国内にあれば課税対象となります。
また、相続税は遺産が多ければ多いほど税負担が重くなる累進課税です。
遺贈や死因贈与によって財産を得た場合にも、相続税の納付義務が生じます。

相続税の対象は、原則として相続財産のすべてです。
被相続人が志望して、相続や遺贈、死因贈与で受け取る不動産や株式、預貯金のほか、借地権、著作権など金銭的価値のあるものすべてが相続税の課税対象となります。

そのような相続税は、富の再配分の役割をしているとされています。
親の財産をそのまま子が受け継いで所有するのは不公平だから、税金の形で社会に還元すべきだという考え方によるものです。

遺産が基礎控除を超えたら支払う

ただし、相続で財産を得たら、必ず相続税を支払わなければならない、というわけではありません。
一定額以内であれば相続税は発生しません。
相続税を支払う義務が生じるのは、遺産の総額が、基礎控除額と呼ばれる一定の額を超えた場合だけです。

つまり、土地や建物の評価額、預貯金など全財産を合計して、借金や葬儀費用などを引いたものが財産総額で、ここから一定額(基礎控除)を引いたものが課税対象となります。

基礎控除の計算方法

基礎控除額は下記の計算式によって算出され、相続人が配偶者と子2人の場合には4800万円になります。

 基礎控除額=3000万円+(600万円×法定相続人)

 配偶者と子2人が相続人の場合:3000万円+600万円×3=4800万円

したがって、このケースでは、相続財産が4800万円を超えると相続税がかかり、4800万円を超えない場合は相続税はかかりません。

主な税額控除の種類

また、それぞれの相続人の置かれている状況に応じて、税額控除が可能になるさまざまな制度があります。
これらの税額控除を行った結果、相続財を支払わなくてもよくなることもあります。
まずは、概算で相続税が発生するかどうかを計算してみましょう。

暦年課税分の贈与税額控除

相続開始前3年以内の贈与財産に贈与額が課されている場合は、相続税額から贈与税額を控除できます。
つまり、相続開始前の3年以内に受けた贈与に対して、すでに贈与税を納めていた場合は、納付した贈与税額を差し引くことができます。

配偶者の税額控除

配偶者が遺産分割等によって実際に取得した相続財産の額が、1億6000万円または配偶者の法定相続分相当額(遺産の2分の1)のどちらか多いほうになるまでは、相続税がかかりません。

未成年者控除

日本国内に住んでいる(または日本国籍をもっていて、相続開始前5年以内に日本国内に住んでいたことがある)20歳未満の相続人が対象です。
未成年者は成人になるまでの期間に応じて、一定額の税額が軽減されます。
「20歳-相続開始時の年齢)×10万円」が控除額となります。
1年未満の端数が出る場合は切り上げて計算します。
控除額が相続税額を超える場合には、超えた分を扶養義務者の相続税額から控除できます。

障害者控除

日本国内に住んでいる障害をもつ相続人が対象です。
85歳未満で障害のある法定相続人は、一般障害者なら「(85歳-相続開始時の年齢)×
10万円」、特別障害者なら「(85歳-相続開始時の年齢)×20万円」が控除額となります。
控除額が相続税額を超える場合には、超えた分を扶養義務者の相続税額から控除できます。

相次相続控除

今回の相続開始前10年以内に、被相続人が相続などによって財産を取得していた場合が対象です。
対象となる相続の開始前、10年以内に被相続人が別の相続で相続税を課されていた場合、その当時に納めていた相続税の一部を対象となった相続の相続税から差し引くことができます。
控除額は、1年につき10%の割合で逓減された額です。

国税額控除

相続などによって外国にある財産を取得し、外国で相続財に相当する税金が課された場合には、相続税額からその相当額を控除できます。
つまり、外国で生じた所得について、外国の法令によって所得税相続税に相当する税金を支払っていた場合、その金額分を日本では差し引くことができます。

相続時精算課税分の贈与税額控除

相続時精算課税適用財産に贈与額が課された場合には、相続税額からその贈与税額に相当する金額を控除できます。
贈与は、原則では1年間で110万円までが非課税となりますが、相続時精算課税制度を利用すると、2500万円までは贈与税が非課税で贈与が可能です。
贈与財産が2,500万円を超えた場合には、超えた金額に20%の贈与税が課されます。
相続時精算課税制度で贈与税を払った場合は、その贈与税は相続税の前払いとされ、相続が発生したときに相続税から控除されます。

みなし相続財産や生前贈与が課税対象になることも

相続税は原則として、相続や遺贈・死因贈与によって被相続人から取得した金銭的価値のある財産の全てに課されます。
現金や預貯金、不動産などはもちろん、貸付金、特許権著作権なども金銭的価値があるので、課税対象になります。

それ以外にも次のようなものが相続税の対象になります。

①みなし相続財産

厳密には相続や遺贈等で取得した財産と言えなくても、相続税の課税対象となるもので、死亡退職金や被相続人が被保険者・保険料負担者だった生命保険の死亡保険金などです。

相続人の場合は相続によって、相続人以外の場合には遺贈によって、財産を取得したとみなされます。

  • 死亡保険金(生命保険金、損害保険金)
  • 死亡退職金、功労金、弔慰金(一定額を除く)
  • 生命保険契約に関する権利
  • 定期金に関する権利(個人年金など)
  • 遺言によって受けた利益(借金の免除など)

以上のものがみなし相続財産にあたります。
ただ、一定額までは非課税財産として控除が可能です。

例えば、死亡保険金の場合、契約者が被相続人で、保険金受取人が相続人の場合、「500万円×法定相続人数」が非課税となります。

また、死亡退職金の場合には、法定相続人1人につき500万円までが非課税限度額です。

②相続開始前3年以内の被相続人からの生前贈与

相続や遺贈によって財産を取得した人が対象で、生前贈与によって得た財産も相続税の課税価格を計算する時に加算されます。

贈与税の配偶者控除を受けた財産が含まれている場合には、その分を差し引いて計算されます。

生前に贈与があった場合

生前贈与によって相続税が節税できることも

相続時の財産が少ないほど相続税の額も減るため、相続税対策として、生前贈与を利用するケースがあります。
贈与税の基礎控除を利用して、相続税を節税しようとするものです。
相続税と贈与税の違いをうまく利用することで、税金の負担を軽くすることができます。

暦年課税の贈与税では、110万円の基礎控除が認められています。
つまり、贈与を受けた財産の額が1年に110万円以下の場合は、贈与税はかからないということになります。
110万円以下の財産を長期にわたって毎年贈与し続けることで、相続時の財産を少なくすることができます。

相続がいつ起きるかは誰にもわかりませんが、故人が残した財産のすべてに一度に相続税はかかります。
非課税枠である基礎控除額も、財産全体に対する金額から差し引くことになります。
しかし、生前贈与なら、自分の意思と都合に合わせて、いつ、誰に、いくら渡すのか決めることができます。
贈与税の非課税枠はもらう人ごとに毎年110万円なので、子や孫など、多くの人に何年かに分けて財産を渡すことも可能になります。

ただし、前述の通り、死亡前の3年以内に生前贈与した財産には相続税が課されますので注意が必要です。

生前贈与の注意点:必ず贈与の証拠を残す

生前贈与は、確かに贈与があったという証拠や資料を残しておかないと、税務署は認めてくれません。
贈与した人、もらった人の両方の署名捺印がある贈与契約書を作成して、財産はもらった人にきちんと渡して、もらった人が管理するようにします。

贈与税の計算方法:暦年課税制度

暦年課税制度は、もらう人ごとに毎年110万円の非課税枠があります。
110万円を超えなければ、税金に関する手続きは不要です。
超えたときにだけ、翌年3月15日までに申告書を税務署に提出して、贈与税を納めます。
なお、平成27年からは20歳以上の子や孫への贈与は税率が緩和されています。

平成27年1月1日以後の贈与
基礎控除額110万円を控除後の課税価格 一般の贈与 直系尊属から20歳以上の子や孫への贈与
税率 控除額 税率 控除額
200万円以下 10% - 10% -
300万円以下 15% 10万円 15% 10万円
400万円以下 20% 25万円
600万円以下 30% 65万円 20% 30万円
1,000万円以下 40% 125万円 30% 90万円
1,500万円以下 45% 175万円 40% 190万円
3,000万円以下 50% 250万円 45% 265万円
4,500万円以下 55% 400万円 50% 415万円
4,500万円超 55% 640万円
平成26年12月31日までの贈与
基礎控除額110万円を控除後の課税価格 税率 控除額
200万円以下 10% -
300万円以下 15% 10万円
400万円以下 20% 25万円
600万円以下 30% 65万円
1000万円以下 40% 125万円
1000万円超 50% 225万円

相続時精算課税を利用すると死亡時に相続財産に加算される

生前贈与に対する贈与税は、相続時精算課税という課税方法を選択することもできます。
相続時精算課税制度は、若い世代により財産を移しやすくしようという目的で、平成15年に新しく作られました。
生前贈与された財産について、2500万円まではとりあえず非課税としておき、非課税分を相続時に精算するというものです。
2500万円は贈与額の非課税枠ではなく、とりあえず贈与税はかからない枠(特別控除額)で、贈与した人が亡くなると、その財産には相続税がかかります。

同じ「贈与する人・もらう人」の間なら、一生涯2500万円の特別控除額が複数年にわたり使えます。
2500万円に達するまでは贈与税はかかりません。
2500万円を超える贈与を行った場合には贈与税が課税されますが、その税率は一律20%に軽減されています。
また、支払った贈与税は相続税を計算する際に控除できます。

ただし、一度この方法を選択すると、暦年課税方式に変更することはできません。
将来、価値が上がる財産や収益を生む財産を贈与すれば、税金を減らす効果はありますが、いったんこの制度を選択すると、「贈与する人・もらう人」の間では一生この制度を使わなければならず、暦年課税制度の毎年110万円の非課税枠は使えなくなります。

相続時精算課税は、利用できる贈与者と受贈者が決められています。
被相続人が相続時精算課税による贈与をしていた場合は、相続税の計算をするときに、その財産の価額を相続財産の価額に加算しなければなりません。

平成26年までは原則として、65歳以上の親から20歳以上の子どもへの贈与にしか使えませんでした。
しかし、平成27年からは祖父母と孫の間でも使えるようになり、贈与する側の年齢も60歳以上に引き下げられました。

暦年課税制度と相続時精算課税制度の両方の制度の違いを正しく理解して、どちらを使うかを判断しましょう。

贈与税の申告書の提出方法

申告書は、税務署の窓口で入手するか、国税庁のホームページからダウンロードします。

提出書類

贈与税の申告書を提出します。
相続時精算課税制度を使う場合には、初年度に「相続時精算課税選択届出書」の提出も必要となります。

提出先

受贈者(もらった人)の住所地の所轄税務署

提出期限

贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日

提出義務者

贈与により財産をもらった人

相続税が課税されない非課税財産

金銭的な価値があって財産と評価できるものであっても、相続税の課税対象にならないとされる財産があり、これを非課税財産と言います。
代表的なものは、墓地や仏壇、公益事業用財産、寄付した財産などです。

また、みなし相続財産である死亡退職金や生命保険金もそのうち一定額が非課税になります。

相続税が非課税となる財産

  1. 墓地や仏壇など日常礼拝しているもの
  2. 宗教や慈善などの公益を目的とする事業を行う人がその事業に使うことが確実なもの
  3. 相続人が取得した生命保険金のうち一定額(法定相続人1人につき500万円が非課税)
  4. 相続人が取得した死亡対処君のうち一定額(法定相続人1人につき500万円が非課税)
  5. 国や地方公共団体などに寄付した財産
  6. 心身障害者扶養共済制度に基づいて支給される給付金を受け取る権利

相続税の申告・納付方法

相続税の申告と納付は10ヵ月以内に行う

相続税の額がわかったら、相続や遺贈によって財産を取得した人は、相続の開始があったことを知った日(通常は被相続人の死亡日)の翌日から10ヵ月以内に、相続税の申告と納付を行わなければなりません。

申告書は被相続人の最後の住所地を管轄する税務署に提出します。
それに基づいて相続税を納付しますが、原則として全額を金銭で、一括して納めなければなりません。

なお、配偶者の税額軽減の適用を受けようとする人は、軽減によって相続税が亡くなる場合でも申告を行うことが必要です。

全員が期限を守って正しい相続税額を納付する

相続税は、連帯納付が義務付けられています。
もし、納付義務を果たさない人がいる場合には、他の相続人や受遺者が代わりに支払わなければなりませんので、期限内にきちんと申告・納付することが大切です。
期限内に相続税の申告や納付をしないと、延滞税や加算税などを課されるおそれがあります。
また、実際よりも少ない相続税額を申告したことがわかった場合には、修正申告が必要です。
反対に、相続税を納めすぎていた場合には、更正の請求を行って、余分に支払った税金を取り戻すことができます。

相続税の申告・納付の手続き

申告・納付する人

相続や遺贈で財産を取得した人

申告先

被相続人死亡時の住所地を管轄する税務署

税の納付先

管轄税務署または銀行などの金融機関

必要な書類
  • 相続税の申告書
  • 遺産分割の方法や特例の適用に応じた添付書類
    協議分割の場合は戸籍謄本・遺産分割協議書の写し・相続人全員の印鑑証明書など
期限

相続の開始を知った日(被相続人の死亡日)の翌日から10ヵ月以内

期限までに相続税を支払えない場合

10ヵ月という期限内に、相続税を金銭で一括して納められない場合には、いくつかの条件を満たせば延納をすることができます。

延納とは

延納とは、相続税を一括して支払えない場合に、年賦で分割払いをすることを認めてくれる制度です。
ただし、延納期間中は、相続税とは別に利子税の支払いが必要となります。

延納が認められるには、いくつか条件があります。
相続税の納期限までに、相続税の申告先となる税務署に、延納申請書と担保提供関係書類を提出して、手続きをします。

延納の条件
  1. 相続税の額が10万円を超えている
  2. 金銭で納付するのが困難な事情がある
  3. 延納する税の額に相当する担保を提供すること
    延納税額が50万円未満で延納期間が3年以下の場合には提供しなくてもよい

物納とは

期限内に相続税を納められない場合のもうひとつの方法が物納です。
これは、相続税を金銭で支払えない場合に、相続した財産による現物での支払いを認めてくれる制度です。

ただし、物納できる財産の種類と、いくつかの財産の中でどれを優先して物納すべきかには、ルールがあります。

延納と同じく、納付するまでの期間に応じて利子税を支払うことが必要になります。

物納にもいくつかの条件があり、相続税の納期限までに、物納申請書と物納手続き関係書類を提出して手続きします。

物納の条件
  1. 延納でも相続税の納付が困難な事情がある
  2. 物納する財産の種類と優先順位はルールにしたがう
  3. 物納する財産が管理処分不適格財産に該当しない
  4. 物納する財産が物納劣後財産に該当する場合は、ほかに物納できる財産がない