はかナビ~葬儀とお墓と仏壇の読み物~

一般的なお墓から最近増えている永代供養墓や納骨堂までお墓について詳しく解説します。また、葬儀・葬式や仏壇、終活の基礎知識についても詳しく解説します。

移転しました。

葬儀の手続きと臨終から葬儀・告別式までの流れ

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臨終から葬儀までの一般的な流れと喪家*1が行うについて解説します。

①危篤

1.近親者に知らせる

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2.献体、臓器提供の意思確認

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3.当座の現金の準備

死後は本人の口座が凍結されてしまうため、現金の準備をしましょう。

4.葬儀社の検討

本人の意思、近所や親族の評判、寺院からの紹介などを参考に葬儀社を検討しましょう。

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②死亡当日

臨終・安置

医師から臨終を告げられたら、立ち会っている近親者たちで、血縁関係の濃い順に末期の水をとり、清拭*2を行います。

8割以上の人が病院のベッドの上で最後を迎える現在では、末期の水は病院が用意してくれて、清拭も病院スタッフが行うのが一般的です。

末期の水

末期の水は死に水蘇生の水とも言われ、死者が生き返ることを願う気持ちと、あの世で渇きに苦しまないようにとの願いを込めた風習です。
ただし、浄土真宗では、故人があの世で苦しむという概念を持たないので、末期の水を取ることはしません。

医師に臨終を告げられたら、集まっていた近親者で、血縁の濃い順に末期の水をとります。
末期の水をとることは、肉親の死に直面する心構えをもつ儀式とも言えます。

本来は、息を引き取る間際に行われる仏教の儀式でしたが、現在は臨終後に行われることがほとんどです。
病院で死亡した場合、脱脂綿などの必要な用具は病院で用意してくれます。
遺体を自宅に搬送・安置後に行うこともできます。

末期の水のとり方

必要なもの

  • ガーゼ
  • 脱脂綿
  • 白糸
  • 茶碗
  • 割り箸

割り箸の先に脱脂綿を巻きつけてガーゼでくるみ、白色で固定します。
茶碗の水を先端に含ませ、故人の唇を軽く潤します。
なお、新しい筆を用いても構いません。

清拭と湯灌

末期の水をとったら、故人の身体を清めます。
かつては、湯灌といって、たらいに湯を入れて故人の全身を洗い清める風習がありました。
しかし、現在では、アルコールを含ませたガーゼや脱脂綿で身体を拭く清拭が一般的です。

これらの儀式には、故人の現世での苦しみや迷いを遺族が洗い清めるという意味があると言われています。

遺体のお清めがすんだら、体液などが流れ出ないように、口や鼻、耳、肛門などに脱脂綿を詰めます。
その際、遺体の目が開いていたら、まぶたを軽くなでて閉じます。
口が開いていたら、下あごを支えて閉じるようにします。

病院であれば、清拭の用意から処置まですべてしてくれます。
病院で亡くなった場合、遺体は霊安室に一時安置されるケースが多いでしょう。
その後、自宅や葬儀社・斎場の遺体安置室などに搬送します。

死化粧

遺体を清めた後は死化粧をします。
死に顔を整えることには、死者の霊を慰めるという意味があります。

まず、髪を整えて、爪が伸びていたら切ります。
男性はひげをそり、女性には薄化粧をします。
ファンデーション、頬紅、口紅などで化粧をします。
これらの処置は病院のスタッフが行います。
死化粧は、ほとんどは病院の係員や葬儀社が行いますが、家族も手伝ってあげたいものです。
故人が愛用していた化粧品があれば、それを使用したい旨を遠慮なく申し出ましょう。

あまりにもやつれていたり、風貌が変わってしまった場合は、葬儀社の手を借ります。
やつれて頬がこけている場合は、綿(含み綿)を口に含ませてふっくらとさせます。

臨終後の一連のケアをエンゼルケアと呼び、病院によっては専門スタッフがいるところもあります。
また、死化粧を専門とするプロに依頼することもできます。

死化粧の仕方

男性

ひげをそります。
地域によっては、刃物をあてることを嫌い、そらないところもあります。

女性

おしろい、口紅、ほお紅などで薄化粧をします。

エンゼルメイク

エンゼルメイクは、エンゼルケアに含まれ、病院で亡くなった場合に看護師が施してくれる死化粧のことです。
2001年に元看護師の小林光恵さんがエンゼルメイク研究会を設立して以来、医療機関の旧態依然とした死後処置を見直す動きが広がり始めました。

その考え方に同調して、エンゼルメイクを取り入れる病院や、エンゼルメイクを勉強する看護師は増えています。
今生の最後の姿にふさわしい姿になる手助けとなるように遺族の意向を取り入れつつメイクをしてくれます。

納棺師

納棺師は、映画の『おくりびと』で、その職業の存在が世間に知られることになりました。
納棺師は、死者を棺に納めるために必要な作業を行う人のことです。
納棺師は、札幌納棺協会が葬儀ビジネスの一環として名乗り始めた造語で特別な資格はありません。

納棺師は、遺体を整えて、旅立ちの衣装を着せて、棺に納めます。
遺族が死と向き合う大切な時間であり、可能な限り、遺族に参加を促して、十分なお別れをしてもらえるよう納棺師は努めます。
厳粛かつ穏やかな雰囲気を作り出せるかどうかも納棺師の力量の1つです。

エンバーミング

エンバーミングとは、遺体を衛生的に保存することで、エンバーマーと呼ばれる専門家が遺体の消毒・殺菌を行い、生前の姿に近づける科学的な遺体処理を行うものです。
欧米では、昔から広く普及していました。

体液をすべて専用の薬剤と入れ換えるので、ドライアイスがなくても腐敗することなく、20日程度は遺体を衛生的に保存することができるとされます。
費用は、一般に10~20万円前後です。

地域によっては専門業者がいない場合もありますので、エンバーミングを希望する場合は、葬儀社に訪ねてみるとよいでしょう。

最近は、故人と直接対面してお別れの儀式を行うビューイング葬が行われることがありますが、その際にエンバーミングを施すこともあります。

1.病院で死亡の場合は自宅などに搬送する

病院などで亡くなった時は、葬儀業者に連絡して、遺体を自宅に搬送します。
病院の霊安室または病室に遺体を安置しておけるのは、長くても数時間程度です。
そのため、遺体をどこに運ぶか、どの葬儀業者に葬送を依頼するかを決めなくてはなりません。
この2点を決めるのが、葬儀の段取りの第一歩です。
遺体を自宅に搬送して、そこで安置するのが一般的で、当然の方法です。

しかし、最近は住宅事情などから、斎場などに直接搬送するケースもあります。
搬送先が決まったら、寝台車を手配します。

遺体を安置する場所

  • 自宅…よほどの事情がない限り、故人はいったん自宅に帰らせてあげたいものです。
  • 葬儀場の斎場…葬儀社に安置を依頼すれば、自動的に葬儀全般を委ねることになります。
  • その他…斎場や火葬場併設の遺体安置所や保冷庫などを利用する場合もあります。

遺体を安置したら、枕飾りを設置します。

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どの葬儀社に搬送を依頼するか

エンディングノートなどで本人が指定した業者や会員になっている互助会などがあれば、そこに連絡します。
そうでない場合は、親族や近所の評判を聞いたり、普段付き合いのある寺院から紹介してもらうとよいでしょう。

葬儀社をすぐに決められないようであれば、搬送後に見積もりを取って検討してもよいでしょう。
病院提携の葬儀社に搬送だけを依頼して、自宅安置後に葬儀社をどこにするか検討するという考えもあります。
しかし、一度お願いした業者を断ることは、なかなか難しいでしょう。

いずれにしても、必ず見積もりをとって、納得した上で正式に依頼することが重要です。

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2.退院届、死亡診断書の受け取り

人が亡くなったときの手続きには、死亡診断書が必要になります。
通常は、医師が記入して渡してくれるので、遺族が用紙を手配する必要はありません。
用紙は、死亡届と一体になっていて、役所への手続きは、この用紙を届けることから始まります。
死亡診断書は、死亡当日に医師からもらいます。
病院で亡くなった場合には、臨終に立ち会った医師からもらいます。
自宅で亡くなった場合には、死亡を確認した医師からもらいます。
事故死、変死、自死の場合には、警察に連絡して、検視後に死体検案書が交付されます。

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3.病院への支払い

死亡診断書を受け取り、遺体搬送の手配をすませたら、退院の手続きをします。
平静さを失っていることも多いので、貴重品などの忘れ物がないように確認します。

帰宅後は、葬儀の準備などで忙しくなりますので、病院への支払いは、できればその日のうちか、翌日までに済ませます。

金品は受け取らないという取り決めのある病院がほとんどなので、スタッフへのお礼は原則として不要です。

どうしてもお礼をしたい場合は、皆で分けやすいお菓子などを、後日ナースステーションへ届けます。
その際は、忘れずに御礼の言葉を添えましょう。

葬儀方針の決定

1.僧侶(寺院)への連絡

寺院などへ連絡して、通夜、葬儀の日時を相談します。

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2.喪主*3、日程、場所、費用などの決定

親族と、喪主、世話役の決定、葬儀規模、費用などを打ち合わせます。
通夜、葬儀、火葬、初七日法要などについても打ち合わせをします。

喪主

喪主に関しては、一般には、故人の①配偶者、②子(長男・長女)、③親、兄弟姉妹の順に検討します。
喪主が高齢あるいは幼少の場合には、実質的主宰者を施主として立てる場合もあります。

日程

通夜、葬儀の日程に関しては、

  • 死亡の当日…自宅に安置して一晩過ごす
  • 死亡の翌日…納棺して通夜
  • 死亡の翌々日…葬儀・告別式、火葬

が基本となります。
火葬は、伝染病などの特別な場合を除いて、死後24時間以上経過してから行うことが法律で定められています。
ただし、夏場は死亡当日に納棺と通夜を行い、翌日には葬儀・火葬という段取りをすることもあります。

ただし、死亡時刻や式場、火葬場、暦などの問題からずれる場合もあります。

  1. 菩提寺の都合
    菩提寺が遠方の場合や、菩提寺がない場合は葬儀社に相談します。
    宗派に応じた僧侶を手配してくれます。
  2. 火葬場の空き状況
    特に都市部、あるいは冬季は混雑しますので、火葬場の予約を優先して、それによって出棺時間を決めます。
  3. 式場などの空き状況
  4. 遠方の親戚などの到着時間

などをもとに決めます。

最近は、死亡当日に通夜を行うケースもあるようですが、遺族が死を受け入れる心の準備のためにも、一晩自宅で安置させるほうが良いでしょう。
死亡当日の通夜はあわただしくなってしまうので、できれば避けましょう。

なお、友引の日は、死者が友人を呼び寄せるという風習により、葬儀を行わないことが通例です。
火葬場もその日を休みにするところがほとんどです。
正月の三が日も休むところが多く、その場合は4日以降に葬儀を行います。
あるいは、松の内に密葬をして、葬儀を8日以降に行うこともあります。

場所

場所に関しては、地域の慣習にもよりますが、最近では、自宅での葬儀は少なくなっていて、斎場や寺院の会館などを利用するのが一般的です。

▼葬儀会場の種類とメリット、デメリット

  メリット デメリット
自宅

式場使用料が必要ない。
故人の住み慣れたところで葬儀ができる。
近隣の人が弔問しやすい。

準備と後片付けが大変。
近隣の人への気遣いが必要になる。
近隣の人の協力が必要になる。
部屋数と広さが必要になる。
駐車スペースがない。
弔問、会葬者の応対が大変。
寺院・寺院会館 葬儀社の選択肢が多い。
檀家の場合は式場の利用料が割安になる。
使用料が明確でない。
宗派が限定される場合がある。
檀家以外は使用不可の場合がある。
葬儀社の斎場 葬儀に特化した設備で充実している。
きめ細やかなサービスが受けられる。
立地と交通の便がよい。
手伝いの人がいらない。
葬儀社の選択肢が限定される。
他会場に比べて式場の使用料が割高になる。
公営会館 式場使用料が安い。
利用規定が明確。
葬儀社専用施設ではないので使い勝手がよくない。
宿泊施設がない。
準備、後片付けは利用者が行う必要がある。

費用

費用については、こちらをご覧ください。

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3.葬儀社への連絡、打ち合わせ

喪主と近親者で「どんな葬儀にしたいか」を決めてから打ち合わせをしましょう。
斎場の選定と手配について打ち合わせをします。

4.遺影の準備

服装や背景は修整処理が可能なため、故人らしい表情でなるべく正面を向いたものを選びましょう。
ただし、あまりに昔の写真や病気でやつれた姿の写真は避けましょう。

5.弔辞、世話役などの依頼

弔辞は故人と親しかった人2~3人に依頼します。
ただし、家族葬では、弔辞は受けないのが一般的です。

世話役代表(葬儀委員長)、受付、司会、接待役など必要に応じてお願いします。

最近では、葬儀社のスタッフが行う場合もありますが、知人がお手伝いしてくれることは、故人の人徳をあらわすものですから、ご縁があればぜひお願いするとよいでしょう。

6.死亡届の提出

死亡当日または翌日に、死亡診断書と一体になっている死亡届を提出して、死体火葬許可証の交付を受けます。
死亡届に必要な故人の本籍住所が不明で困る場合があるので、事前に確認しておきましょう。

7.死体火葬許可証の交付

死亡届は、死亡して7日以内に提出さればいいのですが、届け出ないと死体火葬許可証が交付されないため、実際には、遅くとも死亡の翌日には提出します。

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通知

危篤を知らせた親族、知人などには臨終直後に知らせます。
家族、親族など、知らせる必要がある方には至急連絡を取りましょう。
その他の知人や遺族、関係者には、通夜と葬儀の日程が決まってから知らせます。
勤務先、町内会、通学先等にも連絡します。
故人の知人に関しては、年賀状や住所録、携帯電話のアドレス帳なども参考にします。

日時や場所を正しく伝えるのが目的なので、電話の後でメールやFAXを使っても構いません。

遺族が一人ひとりに電話するのも大変なので、親族、勤務先、学校などそれぞれの代表者に連絡して伝えてもらうと効率的です。

もしものときに備えて必要な連絡先は、あらかじめ把握しておきましょう。

臨終直後の連絡の例

「○○の娘の■■です。本日、父が亡くなりました。今後のことはまだ決まっておりませんが、取り急ぎお知らせいたします。」

日程決定後の連絡の例

「突然の電話で申し訳ありません。突然の○○の娘の■■です。実は、父が昨日亡くなりました。通夜は10月1日午後6時から、葬儀・告別式は10月2日午前10時から、いずれも△△寺で行います。」

死亡をFAXで知らせるとき

親族や親しい友人などには電話で、通夜や葬儀の日程、場所などを知らせます。
死亡通知は、一般的に電話やFAX、メールなどで知らせます。

父○○は、かねてより病気療養中でしたが、○月○日午前○時○分に逝去しました。

通夜、葬儀および告別式は、次のとおり執り行います。

 日時 ○月○日(○)

 通夜 午前○時~○時

 葬儀・告別式 午前○時~○時

 場所 ○○斎場

 ○○県○○市○○丁目○番地

 (地下鉄○○線○○駅下車徒歩○分)

平成○○年○月○日

          喪主 ○○○○

枕勤め(枕経)

自宅など安置先に菩提寺の僧侶を呼んでお経をあげてもらいます。

遺体は、一般的には、頭を北に向ける北枕で寝かせます。
この姿勢は、お釈迦様が入滅*4したときに頭を北に向けていたことに由来します。

布団は、掛け布団、敷き布団ともに薄いものを1枚だけにします。
これは、不幸を重ねるのを避けるとともに、痛いが温まらないようにするためです。
いざというときに備えて、安置用の白いシーツやカバーも準備しておきましょう。
なお、布団は上下を逆にします。
着物も通常とは逆の左前にします。
葬儀では、このような逆さ事にするならわしがあります。
これは、生と死を区別するためです。
そのため、普段こういったことをすることは縁起が悪いとされています。

ただし、浄土真宗では、逆さ事は行わず、北枕も絶対的な約束事ではありません。

遺体の枕元には、枕飾りをしますが、これは葬儀業者が整えてくれます。
三具足*5と呼ばれる基本の仏具を置くことは、各宗派で共通ですが、供え物などは、宗派や地域によって違いがあるため、僧侶と相談しましょう。

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また、神棚があれば、扉を閉じて、外側に半紙などの白い紙を貼って神棚封じをします。
神道では死を穢れとしているので、その穢れが神棚に入り込まないようにするための慣習です。
仏式で葬儀を行うため神棚を閉じる、というわけではありません。

遺体が自宅に安置され、枕飾りができたら、僧侶に来てもらい、お経をあげます。
このように、死後すぐに故人の枕元であげるお経を枕勤め枕経臨終勤行などと言います。
このとき、遺族は後ろに控えて静かにお勤めをします。
まだ喪服を着る必要はなく、地味な普段着でも構いません。

終了後には、僧侶と葬儀についての打ち合わせをします。
具体的には、

  • 通夜、葬儀の日程
  • 読経をお願いする僧侶の人数
  • 戒名(法名・法号)
  • お布施の額

などです。

③通夜の日

死装束を着せる

納棺する前に、故人に死装束を着せます。
ただし、同じ仏式でも、宗派によっては死装束は必要ないとされます。

現在では簡略化されることもあり、個人が愛用していた服を着せて、死装束は棺に入れるだけというケースも増えています。
最後に何を着たいか記入する欄があるエンディングノートもあります。
個人の意思を尊重するとよいでしょう。
また、故人が気に入っていた服を着せることも可能で、洋服でも着物でも可能です。
葬儀社に相談してみましょう。

薄い白麻などで作った経帷子を左前に着せて、手甲・脚絆で旅支度を整えます。
そして、杖を持つのが、かつて一般的だった死に装束です。
しかし、現在では、浴衣や故人の好んでいた服を着せて、その上に略式の経帷子を書ける方法もとられています。

浄土真宗など、死と同時に往生(成仏)するので、旅支度は不要として、死に装束を着せない宗教もあります。

また、かつては、三途の川の渡し賃として六文銭を入れる風習がありました。
現在では、六文銭を模した紙を葬儀業者が用意したり、十円玉を六枚入れたりすることもあります。

ただし、浄土真宗など、行わない宗派もあります。

死装束の例

  • 白木綿でできた経帷子を着せる
  • 手甲脚半をつけ、白足袋、わらじを左右逆に履かせる
  • 頭に三角巾をつける
  • 三途の川の渡し賃とされる六文銭の入った布製の頭陀袋を首から下げる
  • 手に数珠を持たせる

納棺

葬儀社スタッフが納棺するのを手伝う

通夜の祭壇ができた時点で、遺体に死に装束を着せて納棺します。
棺の底に薄い白い布団か白木綿を敷いて、頭の位置に枕を置いてから、仰向けに遺体を納めます。

納棺の作業は、葬儀社のスタッフが主導して行うことが多いものですが、スタッフに任せきりにはせず、遺族も参加しましょう。

棺の中には、故人が愛用していた品を副葬品として入れることができます。
ただし、次のような燃えないもの、燃え残るものは避けます。

  • 眼鏡
  • 指輪
  • 酒瓶
  • 厚い本
  • そのほか、金属製・カーボン製・ガラス製のもの

杖を入れる場合は、上下を逆にするのがしきたりです。
納棺後は、棺のふたを閉めて合掌して、祭壇に安置します。

神式の葬儀の納棺

神式では、納棺の儀と言い、遺体の周囲を白布で覆います。
その後、棺を祭壇前に安置して、しのび手*6で二例・二拍手・一礼をします。
出棺までは、故人が好んだ食べ物などを毎日朝夕供える、霊前日供の儀が行われます。

キリスト教式の葬儀の納棺

キリスト教では、カトリックの場合は神父による聖書朗読があり、聖歌を斉唱したあとに、神父が納棺の言葉を捧げて納棺します。

プロテスタントの場合は、牧師が祈りを捧げる間に、遺族が遺体を棺に納めます。
周囲を生花で飾り、ふたをして布で覆い、賛美歌を歌います。

僧侶との打ち合わせをする

僧侶が到着したら、喪主と世話役代表が出迎えて、いったん控え室に案内します。
そして、次の3点を確認します。

  • 祭壇、葬儀棚の整え方は正しいか
  • 葬儀、告別式の進行方法は正しいか
  • 還骨法要後の会食(お斎)に出席してくれるか

祭壇の整え方は意外と誤りが多いので、僧侶に確認してもらいましょう。

供花、供物の飾り方を確認する

棺に近いほう、祭壇の上方の目立つところが上席(いい場所)です。
近親者は血縁の濃い順に、その他は故人との関係の深さや、供えてくれた人の地位や年齢などを考慮して並べます。
失礼がないように、喪主と世話役代表がチェックしましょう。

通夜

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④葬儀・告別式の日

葬儀・告別式

葬儀・告別式のための確認チェックリスト

通夜・葬儀の時には、近親者には

  • 火葬場に同行してくれるか
  • 精進落とし(還骨法要後の会食)に出席してもらえるか

を確認して、その分の食事と引き物を準備します。

これらを確認しておかないと、出棺後に帰ってしまう人や想定外の参加者が出て、食事や引き物の調整が大変になります。
僧侶にも同様に確認して、お斎に出られない場合には、御膳料を準備します。

  • 座席数の調整
  • 席次と焼香の順
  • 通夜のあとに届いた供花・供物の調整
  • 会葬礼状、返礼品の数
  • 弔辞の依頼先と順序
  • 弔電拝読の範囲と順序
  • 喪主あいさつのタイミング(葬儀の終了時か出棺時か)
  • 火葬許可証の確認
  • 火葬場へ同行する人数
  • 火葬場への配車の確認
  • 火葬場での軽食の数、手配
  • 僧侶へのお布施を渡すタイミング
  • 精進落としの席数、手配
  • 精進落としへの僧侶の出席
  • 自宅に残る人(無人になる場合は施錠の確認)
葬儀・告別式の流れ

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出棺

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出棺後の流れ

出棺後は、次のような流れになります。
なお、時間は11時出棺の場合のイメージです。
ただし、地域に風習として残る出棺時のしきたりも吟味してとり行いましょう。

  1. 11:00 出棺、喪主のあいさつ
  2. 12:00 火葬場へ到着、読経、火葬開始
  3. 13:30 骨上げ
  4. 14:00 火葬場出発
  5. 15:00 斎場または自宅到着、還骨法要
  6. 15:30 精進落としの開始
  7. 17:30 精進落とし終了、散会

読経に関しては、僧侶が同行しない場合には省略されます。

また、火葬には1~2時間要し、その間に同行者は控え室で昼食または軽食をとります。

還骨法要に関しては、初七日法要をあわせて行うケースも多くあります。

出棺時にあいさつをする

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火葬

近親者は火葬場に行く
火葬許可証を係員に渡す

火葬時には、死体火葬許可証を火葬場に提出して、火葬後には埋葬許可証を受け取ります。

骨上げ

火葬がすんだら、骨上げを行います。
最初は、故人と関係の深かった順に2人1組で箸を持ち、下半身の骨から骨壷に入れていきます。
この作法は、この世からあの世への橋(箸)渡しの意味があるとされていますが、浄土真宗では行いません。
そのあと、係員が骨壷を箱に入れて、埋葬許可証を渡してくれるので確認します。

火葬後、埋葬許可証を受け取る

火葬が終了すると、証印を押されて返却されて、それが埋葬許可証になります。

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埋葬、納骨の際に必要な書類です。
多くの場合は、火葬場のスタッフが骨箱の上にのせて布で包んで渡してくれます。

なお、分骨*7する場合は、火葬場から通常の埋葬許可証のほかに分骨用の証明書を交付してもらいます。
埋葬許可証のコピーでは、分骨が認められない場合もあります。

還骨法要(遺骨迎え)

斎場もしくは自宅に僧侶を呼んでお経をあげてもらう

火葬後の遺骨は、斎場か自宅に戻り、四十九日忌までの供養をする後飾りの祭壇の前で還骨法要を行います。

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最近は、遠方の親戚の負担を軽減するなどの事情から、死亡した日から七日目の初七日法要も繰り上げて一緒に行うことが多くなっています。
ただし、本来の初七日当日にも、近親者は集まって自宅でお経をあげてもらいましょう。

浄土真宗以外の宗派では、初七日は故人が三途の川のほとりに到着する日で、たいへん大事な忌日とされているためです。

僧侶にお礼を述べて、お布施を渡す

お布施の額は、事前に僧侶に確認して、必要に応じて御車料御膳料を準備します。
お寺へは、お経と戒名(法名、法号)をいただいたことに対して謝意を表します。
表書きを一括してお布施とするか、お布施と戒名料(法名料、法号料)を分けて包むかは、事前に僧侶に確認しましょう。
お布施の額に迷うなら、僧侶に相談しましょう。
直接尋ねにくい場合には、葬儀業者を通すとよいでしょう。

通常は、葬儀終了後に渡しますが、ご本尊にお供えするものなので、袋は小さなお盆に載せて丁重に扱います。

他にも、交通費としての御車料、僧侶が還骨法要後のお斎(会食)に出席しないときには、御膳料を包むのが一般的です。
これらはすべて白封筒に入れるのが基本です。

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精進落とし

出席者をもてなす

還骨法要の後は、僧侶や世話役など葬儀でお世話になった方を感謝の気持ちでねぎらう精進落としという会食の席を設けます。
精進落としは、地域によっては、忌中引きとも呼びます。
かつては、四十九日忌までの遺族は、肉や魚を使わない精進料理で過ごすことがしきたりでした。
本来は、忌明け後の初めての通常の食事が本来の精進落としです。
仏教では、食事のことをお斎と呼ぶため、還骨法要後のお斎と呼ぶのが、本来の正しい呼び方でしょう。

開始時、終了時に喪主が挨拶をする

精進落としの席上では、まず喪主があいさつをします。
精進落としのあいさつは、お世話になった列席者への感謝の言葉を主体にしましょう。
その後、近親者の音頭で、故人に杯を捧げる献杯を行うことが多くあります。
献杯は、慶事の乾杯に代わるものとして行う習慣で、仏教上のしきたりではありません。
乾杯の場合は、発生に合わせて唱和しますが、献杯では、声を出さずにそっとグラスを持ち上げて口をつけます。

開始後、2時間ほど経ったら、再び喪主があさいつをして終了となります。
その際には、列席者には、3,000円~5,000円程度のお礼の品である引き物を渡すのが一般的です。

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世話役などにお礼を渡す

各方面へのお礼も漏れなく行うように確認しましょう。

  • 寺院…本来は翌日以降に寺院へ出向いてお布施を渡しますが、最近は当日、葬儀時に渡すのが一般的です
  • 世話役…当日1万円~2万円程度を白封筒に入れてお車代として渡すか、後日送付します
  • 弔辞をいただいた方…お礼状は出しますが金品でのお礼は基本的に不要です
  • 故人の職場…手続きのために出向く際に小分けできる菓子折りなどを持参します
  • 医師、病院の関係者…精算時にあいさつをします。お礼の金品は受け取らない病院もあります
  • その他…近所、町内会などお世話になった方がいれば菓子折りなどを持参します
世話役からの引き継ぎ

葬儀当日、遅くとも翌日には、世話役から以下の葬儀事務の引き継ぎをします。

  • 会葬者の名簿、会葬者の名刺
  • 香典包み(不祝儀袋)、香典帳、現金(記録と現金を必ず照合する)
  • 供物、供花の記録帳
  • 弔辞、弔電
  • 会計簿、請求書、領収書(葬儀費用は相続税の控除対象となるので領収書が必要)

葬儀費用は、相続税の控除対象です。
葬儀関係の領収証はなくさないように保管します。

香典帳と現金のつけ合わせも行います。

*1:葬儀を行う家

*2:遺体の清め

*3:葬儀の主宰者

*4:亡くなる

*5:香炉、ろうそく立て、花立て

*6:音をたてない拍手

*7:複数の場所に埋葬